前回は、執着を無くすヒントを幽界にスポットを当てて、スピリチュアルサイドから探ってみました。
執着を無くすヒントは幽界にあり
執着が起きる理由は
・欲望を解消できていない
・執着の理由を理解していない
の2点になります。今回は心理学の立場から、その理由を詳しく解説していきたいと思います。
執着の原因は唇にあり
精神科医ジークムント・フロイトが1905年に発表した「性欲論三篇」によれば、「人間の性欲の出発点は小児である」としています。簡単にいうと「赤ちゃんにも性欲がある」という事です。
赤ちゃんは、お母さんのおっぱいを飲みます。赤ちゃんの空腹を満たすためですが、どうやら赤ちゃんは、乳首を吸う行為そのものにも心地よさを感じているみたいです。その証拠に、乳離れをした子がおしゃぶりを欲しがる事があります。お腹が満たされていても、おしゃぶりを欲しがる行為は、おしゃぶりに食事以外の価値観を持っているからです。
フロイトはそれを「性欲」であると説明しています。彼によると、赤ちゃんは、唇や舌で乳首に触れる事に「性的刺激」を感じているとしています。この時期を心理学では口唇期(こうしんき)と呼びます。
赤ちゃんは、歯が生えると乳首をかむようになります。うちの息子ちゃん(1歳)の場合、おっぱいにあまり興味が無いみたいですが、私が赤ん坊の時は、母親の乳首を噛んでニヤリとしていたそうです(^^;)確かに食事以外の欲求を感じます(笑)
お酒がやめられない原因は口唇期にあり?
口唇期とは0~1歳6ヵ月の時期を指します。フロイトによれば、この時期に欲求が満たされなかった、もしくは満たされ過ぎて成長すると、この時期の欲求に異常にこだわりを持つようになると述べています。
具体的には飲酒、喫煙、ガム、アメ、過食などです。これらの共通点は「刺激を口で得る」です。口唇期に心が満たされなかった赤ちゃんは、ミルクを飲んでいる時間が一番幸せなので、その幸せに固着してしまった結果、口唇期固着になります。逆に満たされすぎてしまった赤ちゃんは、口唇期に幸せ過ぎた結果、ミルクを飲んでいた時期(口に刺激を受けていた時期)は幸せだったと、脳で解釈されるので、大人になっても口で刺激を受ける事で、快楽を得ようとしてしまうのです。
口唇期に心が満たされなかった人の性格
・皮肉屋、攻撃的
・愛情欲求を強く求める
・人目が気になる、人に気に入られるように振る舞う
・承認してもらえないと、悲観して無気力に陥りやすい
・キスが好き
・飲食、ガム、喫煙へのこだわりが強い
・爪や筆記用具を噛む
赤ちゃんにとって授乳を拒否される事は、愛情の拒否、存在の否定を意味します。お母さんの胸に抱かれてミルクを飲む事で、お腹を満たすだけでなく、お母さんとの心の一体感が得られ、赤ちゃんの心の成長を助けます。
いくら泣いても、ミルクを貰えないと、どうすればミルクが貰えるのか考えるようになります。結果、人の顔色をうかがい、愛情に飢える様になります。赤ちゃんの時に、無償の愛を得られなかったため、人を信じる事に恐怖心があり、他人の行動一つ一つに対し、ネガティブに感じ取り、その真意を否定的に捉えてしまいます。それもこれも、赤ちゃんの時に心が満たされなかった経験による物です。
飲食や喫煙にこだわりがあるのは寂しさを紛らわす為です。「口寂しい」からと言って、タバコを吸ったりガムを噛む方がいます。これは本当に「寂しい」のです。寂しさを紛らわす為に、口唇に刺激を求め、無意識に赤ちゃん時代を再現しているのです。
口唇期に心が満たされすぎた人の性格
・他人に頼り過ぎる
・悲観的
・不信感を持ちやすい
・他人の批判に敏感
・攻撃的
・飲食、ガム、喫煙へのこだわりが強い
口唇期に過度に甘やかされた場合、赤ちゃんはそれが当たり前の状態だと認識してしまいます。つまり自分以外の人は、自分を助けてるのが当然であると考える様になるのです。その結果、他人に頼り過ぎる依存的な性格になりやすくなります。
しかし、世間はそんなに甘くはありません。自分に対して否定的な意見や出来事に対して、向き合って行かなくてはなりません。口唇期に心が満たされすぎた人の場合、自分の理想と世間とのギャップが他の人より大きいのです。世間は自分を助けて当然と考えているので、自分への批判は絶対に許されない物と認識し結果、攻撃的、悲観的、不信感を持つ性格になります。
こういった方が飲食や喫煙にこだわるのは、世間とのギャップにストレスを感じ、そのストレスから逃げるためです。口唇に刺激を得る事で無意識の内に、自分が一番幸せを感じていた赤ちゃん時代を再現しているのです。
口唇期固着が起こっていない人でも、程度の差はあれ、みんな口唇期の影響が行動に出ます。例えば不安やストレスを感じた時、手で顔を覆ったり、口元を指で触れた事はありませんか?これは、ストレスから逃れる為に、口唇期の行動をなぞる事で安心を得ようとしているのです。
赤ちゃんが一番安心できる場所は、お母さんの胸の中。成長すると、お母さんのおっぱいは近くにないので代わりに、自分の手で唇を触って不安から逃れようとします。
ちなみに、名探偵ホームズやコナン君が考える時に、口に手を置くのも口唇期の影響です。考える行為にはストレスがあるので、口元を手で覆う事で、無意識に安心感を得ようとしているのです。ですから、コナン君が推理を始めたら「おっぱいだな!!」と思いましょう(笑)
以上のことから、タバコやお酒が止められない原因は、口唇期にあると考えられます。止めたくても止められない方はもちろん、性格に悩みがある人は、自分と向き合うヒントにして頂ければ幸いです。