日本のお盆は、古神道における先祖供養と農耕儀礼、そして仏教の盂蘭盆会(うらぼんえ)が集合して現在の形になったとされています。
始まりは推古天皇の頃ですので、今から千年以上も前から始まった歴史ある行事です。
この時期には、先祖の魂があの世から帰ってくるとされていますが、その理由をスピリチュアリズムの観点から解説したいと思います。
まず申し上げますと、霊には時間感覚がありません。正確には、魂は永遠の存在なので、時間を意識する行為が魂にとっては無意味なのです。
ですが、この世に生きる私達には時間感覚があります。なぜなら肉体を持つ事には時間制限があるためです。時間制限を設ける事で、私達は生きる事に真剣になり結果、霊的真理(真善美)を得やすくなります。ですから、時間感覚は現世に生きる私達だけの感覚です。
魂には時間感覚が無いので、先祖の霊達は
「あっ今、お盆期間じゃん!?現世に帰ろう!!」
などとは思いません。
では、何故帰って来るのかと言うと、私達がお盆を意識する事により、先祖の霊に念を送っているからです。念を受け取った先祖側は
「なんか、念が送られてきているな。へぇ~、今お盆なんだぁ~。」
といった感じで帰ってきます(笑)
ちなみに、お盆といえばお墓参りですが、故人の魂はお墓にはいません。ではお墓は何かと申しますと、いわゆる通信基地みたいな物です。たまに執着の強い魂が、お墓の周りに居付いている事もありますが、大抵の魂は浄化しているので、その所在は幽界や霊界にあります。
そこに向かって念を送る場所が「お墓」という訳です。
ですから、「先祖供養にはお墓が絶対に必要」という訳ではありません。自宅にて念を送り、感謝を伝えるだけでも十分な先祖供養になります。先祖供養で一番困った行為は、先祖にお願い事をすることです。
「こういった困った事があったから、お爺ちゃんお婆ちゃん助けて!!」
こんな事を願われたら故人の魂は、この世に未練を持ってしまいます。未練は浄化の妨げに。
最も良いのは自分の現状、今後の目標、決意などを報告する事です。
「私達は元気に頑張っていますよ。だから安心して下さい」
この世に未練を残さないように、安心させてあげる事。それが故人に対して一番の供養になります。